補腎の理解の為に

人の体は気血水精の要素が巡って出来ています。この中で精は「先天の気」と言われ、生まれた時にはじめに親からもらった土台になる力です。漢方、特に中医学ではその精の働きをとても大事に考えます。
精の働きは、子供の成長を助け、免疫力を増強し、人の下半身を強くし、腰や膝の力にもなり、肝臓・腎臓を強くするもとになります。髪の力・耳の力をつけ、膀胱や生殖器の力にも影響します。ここからわかるように、精の力が衰えることが、すなわち、加齢によるトラブルのもとになってしまうのです。自分にあった薬を専門の人に選んでもらい、精を丈夫にし、加齢防止に役立ててください。

漢方では腎のエネルギー「腎精」を「先天の気」、もぐもぐ食事していて消化して得られるエネルギーを「後天の気」といいます。
「先天の気」は生まれた時に親から貰った気であり、「後天の気」は食事して得られる、日々の生活の活動のもととなる気で「先天の気」に補充する気でもあります。
「後天の気」は漢方では胃単独ではなく「脾胃の働き」で得られると考えます。詳しくは五臓の役割の話を参考にしてください。
このように先天の気と後天の気は連携しあって身体を守っています。ですから、胃の状態が良くないことが続けば「後天の気」が減って、体全体のエネルギーは不足がちになります。「後天の気」の胃を守ることは大切なことです。
また、「先天の気」は主に40代から少しずつ衰えるので、「先天の気」を補う運動、食べ物、適切な薬を補充する必要があります。
「先天の気」と「後天の気」すなわち「腎精」と「脾胃の気」をしっかり守ることは元気な毎日を送るために大事な2つの要素です。

 腎精の力と年齢

補腎薬のページでふれた腎精と年齢のことをもう少し詳しくご紹介いたします。
紀元前2世紀頃に書かれた黄帝内経・素問の中には次のように記されています。

女性は7の倍数で節目を迎えます。
男性は8の倍数で節目を迎えます。

いずれにせよ腎精の最も盛んな時期は20代後半から30代前半です。
2千年前と現在では、環境も栄養も大いに異なります。
全く同じということではなく、その傾向があるということです。

現代人は本当に長寿になっています。しかし、健康でなければつまりません。
補腎薬は年齢に応じて服用されるのが良いですが、補腎は毎日の食事からも運動からも強化することができます。

腎精の力と年齢
男性 女性
8の倍数 7の倍数
8
腎精やっと充実。
永久歯が生え、髪の毛フサフサ
7
腎精やっともりあがる。
永久歯が生え、髪の毛フサフサ
16 生殖能力備わってくる。
全身が男らしくなってくる。
14 月経定期的に下る。
子を産む能力完備。
24 腎精全身を均等にめぐる。
親知らずはえる
21 腎精、全身を均等に巡る。
親知らず生える。
32 筋骨が盛り上がり肌肉がっしり。
男性として最盛期。
28 筋骨ともに引き締まり。
髪の毛もフサフサ。
女性としてもっとも充実した状態。
40 腎精衰えてくる。
髪の毛薄く、歯が悪くなる。
35 顔・髪の毛が衰えはじめる。
48 顔にしわ、白髪が混じってくる。 42 顔もやつれ、白髪も混じりはじめる。
56 体全体が老化してくる。 49 閉経の時期。
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